縄文から続く木造建築の歴史
木は、私たち日本人の建築文化の根幹を長きにわたって担ってきました。例えば、縄文時代の三内丸山遺跡では、巨大な木造建築物があったことが分かっていますし、世界最古の木造建築物である奈良時代の法隆寺なども含め、木造建築には5000年に及ぶ歴史があります。
木の価値が見失われた時代
そんな木造建築の文化ですが、高度経済成長期を境に様々な素材を利用した工業製品としての新建材に取って代わられてきました。木の特性を知り尽くした職人が減少し、利便性を追求した家づくりの全盛時代を迎えます。
一本一本異なる木の個性
さて、私たち𠮷貞は、木材流通の核となる存在として、「木の目利き」であることが求められます。「木の目利き」とは、どのような能力なのでしょうか。実は、木は同じ品種でも育成された山の環境によって全く異なる個性を持っています。同じ杉でも群馬と秋田の杉では全く印象が異なりますし、場合によっては同じ山であっても向きによって風合いが異なってくるのです。つまり、一本一本個性が異なり、価値や用途も変わってきます。そこが難しいところでもあり、面白いところでもあるわけです。
木の価値、再発見
ところが、昨今、木の良さ・魅力に再び脚光が当たり始め、無垢材の家はもちろんのこと、学校や福祉施設といった住宅以外の大型建造物にも木を用いることが増えています。いまこそ、木の文化を広く伝え、もっと木の消費を拡大し、日本の伝統的な建築文化の継承や森林の保護維持を訴えるチャンスです。そういう意味で、木を知り尽くした私たち𠮷貞の役割も高まってくるでしょう。
木の目利きであるために
見抜くべきポイントというのは、色であったり年輪の混み具合、節や陽疾(あて)の有無がその一例です。こうしたことを見極める目は一朝一夕に備えられるものではありません。「見て、さわって、かついで、覚えろ」という当社の社是が、結局、いちばんの近道。日々の鍛錬が、「目利き」への長い長い道程なのです。
木の味わい
木、特に無垢の木は、新築時だけではなく時間が経てば経つほどに、色や質感が変化し、味わいを増してきます。経年変化を味方にする家づくりを望む方には、木は必要不可欠な素材といえるでしょう。